2019.11.05

ブログ

無声呼人

京都は宇治に行って参りました。

宇治と言えば平等院。
十円玉に描かれている鳳凰堂が有名ですね。

平等院には「鳳翔館」というミュージアムがあります。
いくつもの国宝や重要文化財などが
本当に間近に見られる展示形式となっていて
見応えは抜群。“超オススメ”です。

今月16日からは現在修理中の
鳳凰堂内部の拝観も再開されますので
行かれたことのない人も、ある人も、
是非行ってみてください。

さて、宇治と言えばもう一つ、宇治茶も有名ですね。
平等院から宇治川の対岸へと渡ると
福寿園の「宇治茶工房」があります。

石臼を使っての抹茶づくりや
ほうじ茶づくり、お茶の手もみなど、
様々な体験ができる施設となっています。

福寿園と言えば「伊右衛門」で有名ですが
創業は寛政2年(1790年)。
何と229年も続く老舗企業です。

古くから伝わる家訓と社是が
宇治茶工房の中にも掲げられていました。

本日のブログのタイトル、
「無声呼人」
(むせいこじん:声なくして人を呼ぶ)
が、その家訓です。

「徳のある人のところには
 呼ばれなくとも人が集まる」
という意味だそうです。

社是には、以下5つの蓄積を目標に、
「仕事を通じて社会の発展に奉仕しよう
 そして豊かな生活を築き上げよう」
とありました。

その5つとは、
一、信用
一、得意先
一、技術
一、人材
一、資本
です。

注釈から抜粋すると
「誠意を持って人に接し、
 熱意をもって仕事にあたろう」
「一軒、そしてもう一軒、
 行動と回転の中に生きがいを感じよう」
「創意と工夫によって
 価値ある商品を生みだそう」
「不可能を可能にする個性を発揮しよう」
「現実に足をふまえて、そして夢をもとう」
といった言葉が並んでいました。

成熟産業と言われる茶業界にあって
福寿園が成長を続けてこられたのは
「伝統」と「革新」を追い続けてきたから。

3年前、「カンブリア宮殿」に出演した
福井正憲会長はこう仰っていました。
「伝統をいかにアレンジして
 現代の人に通訳して渡すか」

老舗の看板に胡坐をかくことなく
守るべきものを守りながらも
常に新しいことに挑戦し続ける。

社是に書かれていることを
経営者自らが体現してきたからこそ
これだけの成長を続けてきたのでしょう。

「無声呼人」
(声なくして人を呼ぶ)

私たちも、常に行動で示せる人間で
あらねばなりませんね。

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