2022.03.10

ブログ

「平等」では成り立たない

北京冬季パラリンピックが
開催されています。

自国の選手が除外されることとなった
2国の国民には
どう映っているでしょうか。
そもそも、どう伝わっているのでしょうか。

スポーツが
世界の平和につながるもので
あってほしいと願うばかりです。


さて、冬季パラリンピックの
アルペンスキー、クロスカントリースキー、
バイアスロンの3競技では
素晴らしいシステムが採用されています。

それが「計算タイム制」です。

パラスポーツでは
各選手の障がいの種類や程度によって
どうしても有利不利が生じてしまいます。

「平等」な条件で勝敗を決する競技を
成り立たせるためには、
障がいの種類や程度によって
細かくランク分けして
種目を分けざるを得ません。

そうすると各種目の選手数が
少なくなりすぎてしまい、
競技としても面白味がありません。

何とか同一種目として
成立させられないかと
生み出されたのが
この「計算タイム制」です。

障がいの部位や程度(重度)によって
各選手に係数を設定し、
競技の実測タイムに係数を掛けて算出した
「計算タイム」によって勝敗を決する
というものです。

例えば
係数90%のA選手と
係数80%のB選手がいたとします。
(係数の小さいB選手のほうが障がいが重度)

競技において
A選手の実測タイムが90秒
B選手の実測タイムが100秒
であったとすると、
A選手のほうが速かったのですが、

計算タイムは
A選手:90秒×90%=81秒
B選手:100秒×80%=80秒
となり、B選手が勝つことになります。

競技によって
どの障がいがどれくらい不利に働くかが
異なりますので、
競技ごとに係数の大小が変わってくるのが
面白いところです。

係数の決め方には
かなりの慎重さが求められますが、
この「計算タイム制」によって
障がいの程度の異なる選手たち同士でも
同一種目で公平に勝負できるように
なったわけですから
本当に素晴らしいシステムですね。


ここに、
公平な人事評価制度のヒントがあります。

社員にはそれぞれ特性があります。
障がいとは言えずとも
発達障害の人の割合は15人に1人くらい
とも言われていますし、
健常者であっても行動特性や思考特性は
皆それぞれ異なります。

仕事への適性が
それぞれ異なるわけですから、
皆を同じ尺度で評価していては
評価に偏りができてしまいます。

つまり、
「平等」に評価しようとすれば
いつも同じ人ばかりが高評価を
得ることになってしまうのです。

「自分なりにどれだけ頑張っても
 高評価にはほど遠い」
と気付いた社員は
仕事へのモチベーションが
低下していくことでしょう。

大事なのは「努力に対する公平感」です。

評価の軸はブレてはなりませんが
評価の物差し(尺度)は
一人一人に見合ったものにすべきです。

そのためには、まず
一人一人の特性をしっかり理解すること。
できれば
その人の特性に合った仕事を与えたいですね。

そして、
仕事への適性や周辺状況を考慮に入れたうえで
その人にどれくらいのことを求めるのかを
明確に設定し、本人の理解を得ておくことです。

さらなる発展形態として、
各々がどんなことにチャレンジしているかを
社員同士でも共有し、相互に理解し合えれば
互いに切磋琢磨し合える関係にもなり得ます。


自分一人の価値観や判断基準に基づいて
他人を評価していては
必ず軋轢が生じます。

一人一人の違いを認識したうえで
いかに合理的な配慮を
評価基準に盛り込んでいくかが
ポイントです。

完璧なものは作り得ません。
しかし、こういった視点をもって
毎期改善を図っていくことが大事なのです。


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