2020.04.08

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「正しい情報」を「正直に」

緊急事態宣言が発令されました。
対応に翻弄された方、 翻弄されている方も多いことでしょう。
本当にお疲れ様です。

本日は少し尖った私見をお伝えいたします。
不快に感じる方は読み飛ばしていただき、 最後の部分だけお読みいただければ幸いです。

●怪しい判断根拠
記者会見で首相は、 「正しい情報に基づいて冷静な判断を」 と呼びかけていました。 しかし、肝心の政府が それに反することをしているのですから 本当に滑稽です。 会見に同席していた尾身氏(専門家会議の副座長) によると、 彼らの判断根拠は 「新規感染者数」(以下、「新規」は省略します)と その「倍加時間」だそうです。 「感染経路不明者数の増加」も挙げられていました。 その「感染者数」は、 残念ながら市中における実際の感染者数を 反映したものではありません。 PCR検査をして陽性が確認された人の数であり、 実際の感染者数の氷山の一角に過ぎません。 PCR検査の対象者はこれまで、 「濃厚接触者」等に限られていました。 しかし、東京五輪の延期が決まった直後から 濃厚接触者以外にも対象を広げたようです。 ここ最近の「感染者数」の増加は、 検査数を急激に増やした結果であり、 「感染経路不明者」の増加は、 検査対象を広げた結果なのです。

●政府の作戦
首相も専門家会議メンバーも、 そんなことくらいは 当然分かっているはずです。 (本当に分かっていないとすれば  国家の存亡に関わる由々しき事態!) にもかかわらず、 「感染者数が急激に増加している」 「感染経路不明者が増加してきた」 などと騒ぎ立てているのは何故でしょうか。 そのほうが世論をコントロールしやすく、 政策の効果をアピールするためにも 「都合がいいから」にほかなりません。 来年の東京五輪を「完全な形で」 開催まで漕ぎ着けるためには、 ある時期までに、何らかの形で 収束宣言を出さねばなりません。 そのためにとった作戦が、 「感染者数」を一旦増やした後、 減らしていく形を見せるという方法です。 ずるずると「感染者数」が増え続けることだけは 絶対避けねばなりません。 今回の政府の目論見としては、 1か月後に「感染者数」が減ってきたことを示し、 「危機を乗り切った」とアピールしたいわけです。 軽症者を入院させずに済ませる体制の 目途が立った今が絶好のチャンス。 恐らくこの先2週間で検査数をどんどん増やし、 医療崩壊にならないギリギリのラインまで 「感染者数」を増加させていくことでしょう。 そして、その後2週間で検査数を絞り込み、 「感染者数」が減ってきたように見せかけるのです。 実際の感染者数はコントロールできませんが 「感染者数」はコントロールできるというのが この作戦のポイントです。

●1か月後に自粛要請は解除できるのか
懸念される点が一つあります。 「感染者数」が減ったとしても ウィルスを撲滅できる可能性は 限りなくゼロに近いでしょう。 1か月後に 自粛要請は解除できるのでしょうか。 自粛要請を解除すれば 「感染拡大フェーズに逆戻りする」ことを 心配する声が広がります。 それを抑え込む材料がなければ 自粛要請は解除できません。 既存薬の効果が明確になるのか、 ワクチンや治療薬が開発されるのか、 季節的にウィルスが不活性化するのか、 市中感染が広がって集団免疫が形成されるのか…。 そのあたりの確証が得られる「正しい情報」を 掴んだうえでの「冷静な政策判断」であることを 願うのみです。

●「正しい情報」を「正直に」
世論をコントロールするための手段とはいえ、 国民に「正しい情報」を伝えず なかば騙すようなやり方は やはり感心できません。 前回ご紹介した 天彦産業の樋口友夫社長は 「社員に絶対ウソをつかない」 と誓っているそうです。 「正しい情報」を 「正直に」提供してこそ、 信頼が得られるというものです。 そして、 「正しい情報」なくして 「正しい判断」はできません。 指示を出す際は、 しっかりと周辺情報まで伝えるよう 心掛けていきましょう。
 
 

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