2019.10.18

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鶴の一声が招く大混乱

2020年東京五輪のマラソンと競歩について、
開催地を札幌に変更する案を検討していると
IOC(国際オリンピック委員会)が発表しました。

開催まで10か月を切った段階でのこの変更案。
現場が大混乱となること必至です。

東京五輪は猛暑の中での開催となることは
招致段階から分かっていたこと。
マラソンや競歩に限らず
あらゆる屋外競技が危険に晒されると
さんざん警鐘を鳴らされながらも
IOCは(おそらく商業的な都合優先で)
真夏の開催を覆すことはできず、
現場ではこれまで何年にもわたって
準備を進めてきました。

「何をいまさら言い出すんだ!」と
現場に携わってきた人たち誰もが
憤慨していることでしょう。

人によっては今までの苦労が報われなくなり
おおいに落胆しているかもしれません。

似たようなことは企業の中でも
頻繁に起こっています。

トップの突然の方針転換により
現場が大混乱。
同じようなことが何度か繰り返されるうちに
上下の信頼関係は崩れ去り、
現場のモチベーションは低下する一方。

そのようなシーンに心当たりがある人も
多いのではないでしょうか。

一方で、ぎりぎりまで最善手を模索し、
少しでも良い結果につながるよう
努力することは賞賛すべきことです。

ただしそれは、揺るぎない方針の下で
最高の結果を目指して現場で
もがき続ける行動のこと。

間違っても方針をころころ変えること
ではありません。

今回のIOCの件では、
もっと早い段階で「アスリートファースト」を
「最優先」する方針を掲げ、
判断基準や目標を明確にして
最善策を模索していれば、
この期に及んで現場を混乱に陥れるような
ことにはならなかったでしょう。

トップは、
一度方針を決めたら
よほどの環境変化がない限り貫き通すこと。
そして、現場を信じて最後まで任せきること。

現場は、
ぎりぎりまで努力して少しでも良い結果につなげ、
トップの期待に応えること。

この両輪が伴うことで
相互の信頼感が高まり
一体感のある組織となっていきます。

あなたの会社では
トップと現場の信頼関係、
しっかり築けていますか?

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