2022.07.01

ブログ

リピーターを生む秘訣

前回に続いて
隠岐の島ウルトラマラソンの
話題をもう一つ。


アクセスが良いとは決して言えない
離島での開催であるにも関わらず、
実は全国各地からのリピーターが
とても多い大会なのです。

それは何故か。

実際に参加してよく分かりました。

人と人を繋げる仕掛けがあるのです。

一つご紹介します。

通常、マラソン大会では
大会事務局から
事前に郵便物が送られてきます。

参加当日の案内や
現地での受付票、誓約書、
ゼッケン、計測タグ、
最近では
体調管理記録シートなどが
同封されていることも多いですね。

それらと併せ、
隠岐の島ウルトラマラソンでは
地元の小中学生からの
応援のお手紙が入っています。

他の大会でも
たまにあったりはしますが、
隠岐の島では、そのお手紙に
返信を書くのが「しきたり」
となっています。

(相手の住所は分かりませんので
 小中学校に送ります。)

子どもたちが
応援メッセージを書く段階では
自分の手紙が
どのランナーに届くか分からずに
一方通行で書いています。

ランナーが返信を出すことによって
初めて
個と個のつながりが生まれます。

そして大会当日、
その子とご家族の方が
ランナーを個人的に応援してくださるのです。

ランナーにとって、
知人の応援ほど力になるものはありません。

沿道にはたくさんの地元の方々が
出て来てくださり、
温かいまなざしで
応援をしてくださいます。

それだけでもとてもありがたく、
大きな力になるのですが、
知人からの個人的な応援と比べると
到底およびません。

しかしそこは
今まで縁もゆかりもなかった離島。
知人の応援など望むべくもありません。

そこに、
自分を一生懸命応援してくれる
手紙を交わした子がいるのです。

今回、
私の手元には小学1年生と
中学2年生の女の子からの
応援のお手紙が届いていましたので
その2人に返信を出していました。

その内、中学2年生の女の子のお母さんが
48km地点のエイドでボランティアを
してくださっており、
私を見つけて声を掛けてくださいました。

そして89kmあたりの沿道で
そのお母さんが再び
今度は中2の娘さんと二人で
私の名前を大きく呼んで
応援してくださいました。

もう大感激です。

おかげで
疲れもいっぺんに吹き飛び、
100kmのゴールまで
へこたれずに走り切ることができました。

小1の女の子も、
見つけることはできませんでしたが
きっとどこかで応援してくれていたに
違いありません。

実のところ
「どこかで応援してくれている」
と思うだけでも
とても力になるのです。


この大会に
何度も参加しているランナーからは、
過去の手紙のやり取りなどで
縁ができた島の人たちとの再会を
喜ぶ声が聞こえてきました。

そう、ご縁は一度きりではないのです。

参加する度に
島の人たちとのご縁が広がり、
深まっていく、
そんな大会なのです。

「また会いに行きたい」
そんな想いを抱かせることで
たくさんのリピーターを
生んでいるのです。


ビジネスの世界でも
BtoC、BtoBいずれにおいても
個人的なつながりが
継続取引につながっていることは
多々あります。

判断するのが人間である以上、
良くも悪くも
心情的な要素は
なかなか排しきれないものです。

個人的な利益誘導など
コンプライアンス上の問題を
招いてしまうのはご法度ですが、
ルールの範囲内であれば
個人的なつながりを
深めていくことはとても大事です。

前線の営業・販売担当者だけでなく
会社全体で取り組んでいくことが
極めて有効です。

あなたの会社では
お客様やお取引先様との間で
個人的なつながりを
つくっていくような仕掛けを
どれくらい展開していますか?

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